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2025-10-22 14:59:00

椎間板がヘタってくると若くても腰痛になる!

高齢化に伴って椎間板がすり減る(ヘタる)と、腰痛になりやすくなります。

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これは「加齢性変化」によるごく自然な現象ですが、仕組みを理解すると予防や対策がしやすくなります。

以下、専門的な内容もわかりやすく解説します。


🔹1. 椎間板とは?

椎間板(ついかんばん)は、背骨(脊椎)の骨と骨の間にあるクッションのような軟骨組織です。
役割は主に3つ:

  1. 衝撃吸収(クッション機能)

  2. 背骨の可動性(曲げ伸ばし・ねじり)

  3. 重力の分散(上半身の体重を支える)

構造的には、

  • 外側が「線維輪(せんいりん)」という硬い輪っか

  • 内側が「髄核(ずいかく)」というゼリー状の物質
    からできています。


🔹2. 加齢で椎間板が“ヘタる”仕組み

年齢を重ねると、椎間板は次のように変化します:

加齢変化 内容
水分が減る 髄核の含水量が若年期は80%程度 → 高齢では60%以下に低下
弾力が失われる クッション性がなくなり、衝撃を吸収できない
厚みが減る 椎間板の高さが低下し、骨同士が近づく
ひび割れが生じる 線維輪が脆くなり、小さな亀裂が入る
骨の変形(骨棘) 椎間板のすり減りを補うため骨がトゲ状に変形する

この状態を**「椎間板変性(ついかんばんへんせい)」**と呼びます。


🔹3. 椎間板変性が腰痛を起こすメカニズム

  1. 神経への刺激
     椎間板の亀裂や変形が周囲の神経終末を刺激し、痛みを感じます。

  2. 関節や筋肉への負担増加
     クッション機能が弱まるため、椎間関節や筋肉が代わりに負担を負い、炎症やこりが起こる。

  3. 姿勢バランスの崩れ
     椎間板が薄くなると、背骨の並び(アライメント)が乱れ、腰への負担が偏る。

  4. 神経圧迫
     椎間板が突出すると、神経根を圧迫して坐骨神経痛を発症。


🔹4. 症状の特徴

  • 腰の重だるさ・こわばり感

  • 朝起きたときに痛いが、動くと少し楽になる

  • 長時間立つ・座ると痛みが強くなる

  • くしゃみや前屈みでズキッと痛むことも

  • 進行すると**下肢のしびれや痛み(坐骨神経痛)**が出る場合も


🔹5. 関連疾患(加齢性椎間板変性から発展するもの)

  • 腰椎椎間板ヘルニア:突出した椎間板が神経を圧迫

  • 腰椎すべり症:椎間板が潰れ、骨が前後にズレる

  • 腰部脊柱管狭窄症:神経の通り道が狭くなる

  • 椎間関節症:関節への負担増加で炎症が起こる


🔹6. 対策と予防法

椎間板の老化を「止める」ことはできませんが、進行を遅らせる・症状を軽くすることは可能です。

💪 体のケア

  • 体幹筋(特に腹横筋・多裂筋)を鍛える
     → 椎間板にかかる圧力を減らす

  • ストレッチ(ハムストリング・腰背筋群)
     → 筋肉の緊張を和らげ、血流改善

  • 正しい姿勢を意識する
     → 猫背や反り腰は椎間板への負担増

  • ウォーキングや軽い運動
     → 椎間板は「動くことで栄養を受け取る」組織

🛠 生活習慣の工夫

  • 長時間座るときは腰にクッションを当てる

  • 重い物を持つときは膝を曲げて持ち上げる

  • 体重を適正に保つ(肥満は椎間板圧を増加させる)

  • 喫煙を控える(ニコチンで椎間板の血流が悪化)


🔹7. 医療的対応

痛みが強い場合やしびれが出る場合は、
整形外科で以下のような治療が行われます:

  • 消炎鎮痛薬(NSAIDs)

  • 理学療法・運動療法

  • 牽引・温熱療法

  • ブロック注射

  • (重症例)手術(椎間板切除・固定術など)


🔹まとめ

 

  • 高齢化に伴い椎間板の水分・弾力が減る → 腰痛の原因に

  • 椎間板が「ヘタる」と、関節・筋肉・神経に二次的な負担が発生

  • 運動・姿勢・筋力維持で進行を抑えられる

  • 早期にケアすれば、慢性腰痛や神経痛を予防できる