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2025-10-19 03:15:00

北京や上海における難病中国鍼灸

北京において難病(=稀少疾患・難治性疾患)に対して「鍼治療(鍼灸)+伝統中医療(TCM: Traditional Chinese Medicine)」がどのように行われているか、私が確認できた範囲で整理します。もちろん、個別の病状・施設・医師によって対応が異なりますので、「参考情報」としてご覧ください。

 

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## ✅ 鍼治療・伝統中医療が難病分野で行われている実例・動向

 

以下、北京・中国での関連動向・実例を挙げます。

 

### ・「難病患者向け専門クリニック」が北京に開設

 

北京市にて、難病患者を対象とした診断・治療・食事・リハビリなどを含む総合クリニックが設立されています。 ([中国人民共和国国務院][1])

これは主に「西洋医学+中医療」を含む体制で、必ずしも「鍼だけ」に特化というわけではありませんが、難病支援体制の一環として注目されます。

→ 鍼灸・中医療の枠組みも、難病治療・補助治療として位置づけられつつあることがうかがえます。

 

### ・鍼灸/中医療が「稀少・難治性疾患」に対して報告されている例

 

例えば、成人発症スティル病(A OSD;Rare autoinflammatory disease)という比較的稀な疾患に対して、北京の中医鍼灸部門で「腹部鍼(Bo’s腹部鍼法)」が用いられ、症状が改善したという症例報告があります。 ([WJGNet][2])

このように「難病とは言い切れないが、通常の標準治療で完遂しなかった疾患」に対して中医療(鍼灸+漢方)を併用して効果が出たという報告があります。

 

### ・研究として「難治性・稀少疾患における中医療(鍼灸含む)」が論じられている

 

伝統中医学が難治性疾患・稀少疾患領域での研究対象となっており、鍼灸や漢方を多標的・複合的治療として用いる可能性が議論されています。 ([J-STAGE][3])

つまり、施術側として「完全な根治を保証するものではないが、補助的な選択肢として鍼灸を考える流れ」が進んでいます。

 

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## 🔍 鍼治療がどう「難病・難治性疾患」で使われるか:特徴・ポイント

 

難病・難治分野で鍼灸を受ける際に、実際どんな特徴・注意点があるかを整理します。

 

### 特徴

 

* 個別対応:難病・稀少疾患は症状や経過が人それぞれなので、鍼灸でも「どの経絡・どのツボを使うか」「体質・時間・併用治療(漢方・西洋薬)をどうするか」を細かく組むことが多い。例:上記の成人発症スティル病の症例では腹部特定のツボが使われています。 ([WJGNet][4])

* 補助的・併用的:鍼灸単独で「根治」というよりも、「西洋医学的治療+中医鍼灸併用」で症状の軽減・QOL向上を目指すというスタンスが多い。

* 継続・定期的施術:1〜数ヶ月単位で、鍼灸を継続するケースが多く、経過観察が重要。鍼だけではなく体質改善・ライフスタイル改善も併せて指導されることがあります。

* 体質・症状の観察:中医学では「気・血・津液(体液)」「陰陽・五行」「経絡」などの概念で体質・症状を見ます。難病ではこれらの診断も深く関わってきます。

 

### 注意点・限界

 

* 科学的・臨床的エビデンスが限られている:難病・稀少疾患では鍼灸だけを標準治療として確立した大規模なランダム化試験は少ないです。例としても「さらなる証拠が必要」とされる疾患一覧に鍼灸が挙げられています。 ([Beijing Acupuncture][5])

* 医師・専門施設の選定が重要:難病対応の中医鍼灸は専門性が高く、経験豊富な医師・施設を選ぶことが鍵です。

* 西洋薬・治療の停止・変更を勝手にしてはいけない:併用治療が前提となることが多いため、主治医と中医師・鍼灸師で治療方針を共有することが望ましい。

* 海外・外国人利用時の言語・保険・費用・通訳等の確認:特に北京で外国人が鍼灸を受ける場合、言語サポートや保険適用の可否をチェックする必要があります。

 

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## 🏥 北京で鍼治療・中医療を受けるときの実務的なポイント

 

もし北京で難病に対し鍼治療を検討するなら、以下のような実務的チェック・準備がおすすめです。

 

* **施設選び**:「難病・稀少疾患の鍼灸実績」がある中医医院・中医鍼灸科を選ぶ。例えば、北京の中医薬大学付属病院など大きな中医総合病院に中医鍼灸部門があることが多い。

* **医師・鍼灸師の経歴確認**:中医・鍼灸の専門医、難病対応経験の有無、語学対応(英語・日本語)などを確認。

* **初診時の持参書類**:既往歴・西洋医学での検査結果(血液検査・画像・主治医報告書)を持参すると、中医側も体質診断・鍼灸方針を立てやすくなります。

* **治療プラン・期間・見通しの相談**:どのくらいの頻度で鍼灸を行うか、漢方併用の有無、症状軽減・改善までの見通しを事前に相談。

* **費用・保険・言語**:鍼灸料金・漢方薬代・通訳費用・保険適用範囲(中国国内保険・海外旅行保険など)を確認。

* **フォローアップ・安全性**:鍼灸による副作用・禁忌(出血傾向・抗凝固薬使用・重篤な心疾患など)を確認。 ([Beijing Acupuncture][5])

* **言語対応・通訳**:日本語・英語対応可能なクリニックであれば安心。予約・説明・経過観察の際の言葉の壁を避ける。

* **併用治療との連携**:西洋医学側(主治医)・中医側(鍼灸・漢方)両方に情報を共有して、治療計画を調整できるようにする。